今秋のNHK朝ドラになる、ニッカウヰスキー創業者
日本のウイスキーの父 竹鶴政孝物語
第三回
「このままではいけない。どうにか実地の研究にとりかかり、
一日も早く国産ウイスキーをこの手でつくらねば」
焦りと空回りの感覚が政孝の心をくもらせた。
苦悩と憔悴の極みにあった政孝のもとに、一通の手紙が舞い込んだ。
ロングモーン蒸留所からの工場実習の許可通知であった。
この辺りは、ハイランドでも、著名な蒸留所がひしめく一帯である。
高鳴る胸をおさえて金色に輝くノッカーを鳴らした。